糖尿病治療薬にはどんな薬があるの?2020年版!

2020年現在、国民病の一つともいっても過言ではないくらいに増えている糖尿病。

臨床現場でも次々と新薬が登場し、かなりの選択肢が増えてきました。

選択肢が多くなった反面、

いったいどんな薬があるのかわかりづらくもなった気もします。

ですので、今回はそんな糖尿病治療薬について解説してみたいと思います。

 

この記事はこんな人におすすめ!

  • 糖尿病のお薬に詳しくなりたい方
  • 自分の飲んでいる薬をもっと知りたい方
  • 医療介護従事者やそれを目指している学生の方々

 

この記事の解説している人の実績

Akimotty
これまで10万件以上の症例を
みてきた実績をもつ薬剤師。
【専門資格】
・認定薬剤師2012~
・実務実習指導薬剤師2016~
・衛生検査技師2011
・青森県糖尿病容量指導士取得2007

 

糖尿病治療薬にはどんな薬があるの?2020年版!

 

2020年現在、たくさんの選択肢が存在している糖尿病治療薬。

 

まず、大きく投与経路の違いで 区別することができます。

投与経路別でみる糖尿病治療薬

  1. 注射剤(おちゅうしゃ)
  2. 経口剤(のみぐすり)

 

糖尿病治療薬の注射剤はインスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の2タイプがある。

注射剤

インスリン製剤

インスリン製剤とは?
アナログ製剤とヒトインスリン製剤にさらに区別されます。
作用の発現時間と持続時間で〇〇型と分類されます。

 

【アナログ製剤とは?】
ヒトインスリンの構造を人工的に変更したもの。
変更を加えることで、薬物動態を改善→作用発現時間や持続時間をコントロール。

 

作用発現時間と持続時間による分類

こちらは一覧表で理解を深めましょう。

分類(〇〇型)
超速効型
速攻型
中間型
混合型
持効型
配合溶解型

 

大きく5タイプですね。

では、ここにさらに用途を追加してみましょうか。

 

分類(〇〇型)用途
超速効型追加分のインスリンの補充
速攻型追加分のインスリンの補充
中間型基礎インスリンの補充
混合型コンプ改善の目的
持効型基礎インスリンの補充
配合溶解型コンプ改善の目的

 

【超速効型・速攻型】は、効果発現が早いため

追加分のインスリンを補充するために用いられています。

 

こんな方に使われています!

普段からすい臓が頑張ってくれて出している基礎インスリン。

それだけでは、食事に伴う血糖値の変動に対して、

インスリンがやや足りないという方がいます。

 

そういう方には、食事に伴う血糖値の変動のとき

しっかりインスリンの効果を発現させたいため

【超速効型】や【速攻型】のインスリン製剤が選択されています。

 

 

一方、

【中間型・持効型】

ベースとなる基礎インスリン自体が少なめの方が対象です。

 

こんな方に使われています!

基礎インスリンが不足していると、

常時高血糖気味になってしまうので補充が必要ですよね。

 

ここで想像してほしいのですが、

もしあなたが糖尿病患者さんで注射をお腹に刺す場合、

一日に何度も針を刺して投与するのはとてもつらいですよね。

 

そこで

回数を減らすために持続時間を延長しているのが

このタイプというわけです。

たいてい【中間型】は1日2回、

【持効型】は1日1回の用法ですから

注射をする負担を可能な限り減らすことができているのです。

 

 

そして残りの【混合型・配合溶解型】

 

こんな方に使われています!

こちらは基礎も追加分も補充したい方向けです。

ただ、先に述べたとおり、注射回数を増やしたくはありません。

 

ですので、

ちょうどいい具合の血中濃度になるように

ちょうどいい具合の作用発現と効果時間になるように

ブレンドしてつくっているわけですね。

 

そのため、複数回投与する必要がなく、

結果的にコンプ改善になるというわけですね。

【コンプ(コンプライアンス)とは?】
一般的には、法的遵守ですが、ここでは業界用語の意味合いですね。
薬物治療において用法用量をしっかり守って治療継続できている状態をいいます。
ここまでのまとめ
インスリン製剤は種類が5つある。
作用発現と持続時間が工夫されている。
患者さん毎に合ったタイプが選択されている。
続いて剤形を見ていきましょう。

剤形別にみるインスリン製剤

現在存在しているインスリン製剤の剤形は次の3つです。

  1. プレフィルド/キッド
  2. バイアル
  3. カートリッジ

 

ではそれぞれ解説していきましょう。

①プレフィルド/キッドタイプ

プレフィルドキッド

このタイプは、あらかじめすでにインスリンカートリッジが

インスリンペン型注射器に装着されているのが特徴です。

現在主流のタイプです。

 

このタイプのメリット

  • カートリッジの交換手間が省ける!
  • 操作がかんたん!

 

イノレットと呼ばれる注射針も一体型になっているタイプは、

ここに分類されるといえるでしょう。

このタイプのデメリット

  • 値段が他と比較すると高い。

 

利便性がお値段に返ってるという感じですね。

 

②バイアル

これはバイアルに入っているタイプ。

インスリン専用のシリンジ注射器で用いる必要があるため

外来や自己注射する方には基本的には出されないですね。

 

③カートリッジ

プレフィルドが出る一昔まえは、このタイプが多かったようです。

専用のインスリンペン型注射器に

カートリッジを装着しなければなりません。

着脱しなければならず、メーカーごとに専用注射器が異なるため

扱いが結構たいへんです。

今はあまり使われなくなっています。

 

ここまでのまとめ
インスリン製剤の剤形種類は3つある。
利便性からプレフィルド/キッドが主流。

GLP-1受容体作動薬

GLP-1

インスリンの次はGLP-1受容体作動薬についてみていきたいと思います。

【GLP-1とは?】
・グルカゴンのようなペプチドの略グルカゴン様ペプチド-1)。
・下部消化管から分泌されるインクレチンの一種。
・インクレチンはインスリン分泌を促すホルモンのこと。
・すい臓にGLP-1受容体が存在し、そこにくっつき作用する。
端的にいうとつまり、
GLP-1受容体作動薬を投与すると、
身体はインスリン分泌をさせるわけです。

GLP-1受容体作動薬の種類

こちらもまた表にしてみたいと思います。

一般名
(〇〇チド)
用法
リラグルチド1日1回
エキセナチド1日2回
または
週1回
リキシセナチド1日1回
デュラグルチド週1回
セマグルチド週1回
週一回の製剤があるのが、GLP-1受容体作動薬の特徴ですね。
インスリン製剤と違い、毎日打つ必要がないために
患者さんにはとっても負担が少ないです。
GLP-1受容体作動薬のメリット
  • 注射回数少ないためライフスタイルに合わせて使える。
でも、週一回でいいなら、どうせだったら
飲み薬の方がなおのこといいですよね?
なぜ注射剤だけなのでしょうか?
GLPー1の経口摂取では、体内に入っても効果が発現しないということがわかっています。ですから、飲み薬では一切薬効が期待できないのです。
専門的に難しく表現すると、
バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)が
極端に低いのでお話しにならないと言えるわけです。
でも、研究の進歩によって
製剤学的な困難を突破しさえすれば
いずれ経口剤のGLP-1製剤が誕生するかもしれません。
ということで
上記までで、糖尿病治療薬の注射剤をご説明いたしました。
初めて学んでいる人は、結構ボリューミーだったかもしれません。
もし疲れた方がいたら、このへんでブレイク入れましょう。
ここからは引き続き、経口剤(のみぐすり)を解説していきます。

糖尿病治療薬の経口剤は7タイプ

糖尿病治療薬

糖尿病治療薬の経口剤は現時点では大きく7タイプ。

 

  1. BG系(ビグアナイド系)
  2. TZD系(チアゾリジン系)
  3. SU系(スルホニルウレア系)
  4. 速攻型インスリン分泌促進薬
    (〇〇グリニド)
  5. DPP-4阻害薬
    (〇〇グリプチン)
  6. SLGT2阻害薬
    (〇〇グリフロジン)
  7. 配合剤

 

 

おおいですね^^;

経口剤でおさえておきたいポイントは

単に血糖降下剤と覚えるのではなくその先の特徴です。

ではでは、ひとつずつみていきましょう。

 

 

BG系(ビグアナイド系)

肥満

大きな特徴はこの2つです。

特徴

  • 肥満2型糖尿病の第一選択薬である。
  • 肝臓の糖新生を抑制し、インスリン抵抗性改善を示す。

 

糖尿病患者は体重が増加するにつれて、

自分のインスリンが効きにくくなっていきます。

(反対に体重増加でインスリンが効きにくく、糖尿病になるともいえるかも)

 

このインスリンが効きにくくなっているのを

「インスリン抵抗性」といいます。

 

糖尿病になると過食・甘いものが欲しくなり…

→結果、体重が増えます。

 

すると、インスリン抵抗性も増します。

 

そのため今度はどうなるかというと…

→血糖値が下がりにくくなります。

 

そして血糖値が下がりにくくなると…

→ますます糖尿病が進みます。

 

さらに糖尿病のせいで

→過食・甘いもの欲すわけです。

 

まさに、負のスパイラル。悪循環。

 

糖尿病の治療目標は、良好な血糖コントロールですから

この悪循環は大敵です。

 

BG系(ビグアナイド系)はこの悪循環を断ち切ります。

インスリン抵抗性の改善を期待し

体重が多い人や体質的に抵抗性が高い人に

第一選択薬として用いられます。

 

TZD系(チアゾリジン系)

TZD

特徴

  • 筋肉と脂肪組織へ糖を取り込む。
  • インスリン抵抗性を改善する。
  • BMIが増大するに従い、血糖降下作用も増大。

 

さきほどのBG系(ビグアナイド系)でも

インスリン抵抗性を改善しますが、

こちらのTZD系(チアゾリジン系)では、

作用機序が異なります。

 

肝臓での糖新生抑制ではなく、糖を筋肉等へ取り込みます。

筋肉に取り込まれた糖分は、運動することで消費されるので

運動療法と相性がいいなと考えちゃいますね。

個人的にも筋トレしてるので、パワーが振り絞れそうな予感w

 

副作用
浮腫に注意!脂肪組織にも取り込むので、体重増加にも注意!
TZD系では、その作用機序からみても
しっかりと運動療法をすると治療効果が高いでしょう。
運動療法に加えて、食事もしっかり整えると
服用せずともよくなるケースもあります。

SU系(スルホニルウレア系)

ポンプ

よくSU剤と言われているやつですね。

BG系とともに、日本全国で使われています。

特徴は次のとおりです。

 

特徴

  • インスリンを分泌させて血糖降下作用を示す。

 

シンプルですね。

よく薬学生のときとかは、イメージ記憶で

SU剤は、自分のすい臓をぶん殴ったり、しぼってるイメージ。

そうやって、

無理やりインスリンを分泌させているイメージで覚えました。

 

なにぶん、血糖降下作用が、他と比べて強いですからね。

それを表す他のエピソードとしては

あとに述べる「DPP-4阻害薬」が市場に登場した際には

レコメンドが発表された経緯があります。

どういう内容だったかというと、

「DPP-4阻害剤とSU剤を併用する場合、SU剤を減量すべき」

そういう趣旨です。

DPP-4阻害剤もインスリンの効果を改善するので、

SU剤でインスリンじゃぶじゃぶの状態に

DPP–4阻害薬を無計画に併用すると

低血糖リスクが上がる!というわけです。

 

副作用
低血糖に注意!
長期投与では、体重増加にも注意!

速攻型インスリン分泌促進薬
(〇〇グリニド)

スピード

こちらも名前の如く特徴が実にわかりやすいおくすりですね。

SU剤と同様特徴はシンプルです。ただ違う点もあるので区別しましょう。

 

特徴

  • インスリン分泌を促進させ、血糖降下作用を示す。
  • SU剤よりも、効果発現は早い!作用時間も短い!

 

成分で異なる服用時間

一般名
(〇〇グリニド)
服用時間
ミチグリニド毎食前5分以内
ナテグリニド毎食前10分以内
レバグリニド毎食前10分以内

SU剤は持続性がありますが、

このタイプは反対に即効性があり、

かつ時速時間が短いです。

薬剤の効果と副作用は食事による影響を多大に受けるために

しっかりと用法用量を守って飲む必要があるのも

大切な特徴ですね。

副作用

速攻型なので、早く飲みすぎると低血糖をきたす恐れアリ!

食事の影響を受けやすく、食後投与では、
反対に、速効性が排除され作用が持続する。
結果として
低血糖の恐れにつながるので飲み方に注意が必要です!

DPP-4阻害薬
(〇〇グリプチン)

いろいろ

このタイプの薬は比較的新しいです。

 

特徴

  • インクレチンの作用を持続させる。
  • 食事の影響を受けない。
  • 種類が豊富。代謝経路別にも使える。

 

上述した速効型インスリン分泌促進薬と

異なり、食事の影響を受けません。

ですので、食前、食後にとらわれずに投与できます。
ライフスタイルに合わせた投与ができるので
かなり飲んでいる方も多いはずです。
ただ、血糖降下作用はそこまで強くはなく、
HbA1cを約1%程度下げるにとどまっている感じです。
SU剤と併用すると、低血糖のリスクが高くなるので
注意が必要です。
体験的には、以下のパターンでしょうか。
  1. SU剤からの切り替えパターン
  2. SU剤少量+DPP-4阻害薬

切り替え理由は、

もともと効きにくい体質のケースだったり、

効きが悪くなったケースなどですかね。

 

DPP-4阻害薬の種類

一般名
(〇〇グリプチン)
用法排泄
シタグリプチン1日1回
アログリプチン1日1回
テネリグリプチン1日1回
サキサグリプチン1日1回
ビルダグリプチン1日2回
アナグリプチン1日2回
リナグリプチン1日1回胆汁排泄
オマグリプチン週1回
トレラグリプチン週1回

どうですか。食事の影響を受けないだけではなく、

基本は1日1回、ものによっては週に1回の製剤もあります。

これにより、患者さんのライフスタイルに柔軟に対応できるのです。

また一方、

排泄経路が腎であるものが多い中、

リナグリプチンだけは胆汁排泄です。

糖尿病患者さんは合併症に腎症

患わっている方が多くいるので、

腎臓へ負担をかけたくない患者さんへの

選択肢も存在するというわけです。

 

副作用

重症低血糖に注意!レコメンドがでている。

SGLT2阻害薬
(〇〇グリフロジン)

流れ

DPP-4阻害薬よりも更に近年登場したジャンルのくすりがこれです。

今までは、尿中に糖分がでるのはタブーとされていましたが、

このお薬はなんと、あえて尿中に糖分を出すことを狙ったくすり!

これまでの常識を覆したおくすりともいえるでしょう。

 

特徴
  • 過剰な糖を尿中に排泄する。
  • 体重が減少する。

糖分を尿中にそのまま出すということから

カロリーも結果的に減るために体重減少に繋がります。

いろんな数字はあるようですが、

経験からの見解からいうと、

大雑把に大体2kgの体重減少はどなたにでも

おきる感じですかね。

副作用

尿路感染症のリスク!低血糖。死亡例もある。

糖分の排泄に伴い、泌尿器系の衛生状態が悪化するようで

感染症の副作用が懸念されています。

日本では入浴文化があるのでまだ発生は少なめですが、

欧米などのシャワー文化では日本よりも発生は多いです。

もし、SGLT2阻害薬を併用していて、

湯船に入る習慣がなければ尿路感染リスクは高まります。

注意すべきと言えるでしょう。

 

配合剤

ブレンド

最後は配合剤ですね。

 

特徴

  • 複数の種類の治療薬が混ざっている。
  • 配合剤毎に飲み方異なるので注意が必要!
  • 薬価が安い

 

上述したいずれかがブレンドされています。

同メーカー品でブレンドされているケースが多く

2種類混ざってるけどお値段は1種類と同等のお値段

になっているので、お財布に優しい面があると言えそうです。

 

また服用回数もコンパクトにまとまって

コンプ改善につながるケースもあり、

好んで選択している医師もいます。

 

まとめ

食事と運動

というわけで、一挙に糖尿病治療薬をみてきました。

正直、複数の記事に分けようかともおもったのですが

細分化するととことん奥深くなるので、

今回は大まかにサマライズしまとめた感じです。

 

治療の選択肢は増え続けているので

ご自身の病態や生活スタイル、要望などに沿って

選べる時代だとも言えるでしょう。

 

逆にいうと、ありすぎて違いが見えにくく

”よその芝がよく見える”という場合も

あるかもしれません。

 

ですが、大切なのはご自身がご自身で

病気をしっかり把握していくことです。

比較しても意味はあまりありません。

 

それと薬物療法はあくまでも治療法の一部。

土台となるのは、食事と運動療法です。

 

副作用の観点からも多剤併用はなるべくしない方向で

食事と運動に気を配ることをおすすめします。

 

tounyoubyou5 (1)
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